コラム

モンクレール等の高級ダウンジャケットの適切なメンテナンスと保管方法

モンクレール等の高級ダウンジャケットは非常に繊細なため、こまめに洗濯をしなくても良いですが、シーズンオフの時には洗濯をしたうえで保管することが大切です。
ただし、シーズンオフではなくても、羽毛のボリュームがなくなったり不快な臭いがしたりといったことが気になる場合には、しっかりとクリーニングをしましょう。

高級ダウンジャケットを着用する冬の時期に皮脂や汗が付着しやすい袖や首周りは、特に丁寧なメンテナンスが必要です。
そこで今回は、高級ダウンジャケットの正しいメンテナンス方法について詳しく紹介します。

【目次】
1.高級ダウンジャケット着用後の正しいメンテナンス方法
2.メンテナンス後の保管方法
3.高級ダウンジャケットはクリーニングでメンテナンスしよう
4.今回のまとめ

高級ダウンジャケット着用後の正しいメンテナンス方法

高級ダウンジャケットを着用した後のメンテナンス方法と、自宅のクローゼット内に保管する方法についても詳しく紹介します。

帰宅後の湿気取り

ダウンジャケットの臭い

帰宅してダウンコート・ダウンジャケットを脱いだら、そのままクローゼットには入れず、ハンガーにかけて羽毛内の湿気を取りましょう。

ダウンウエアの着用時には、羽毛の保温性や体温によって思っている以上に汗をかいています。
汗の湿気を含んだままクローゼットにしまうと、カビや臭いの発生または、羽毛のボリュームダウンとなってしまいます。

できれば天気の良い週末に、風通しの良い場所で、日陰干しをすると良いでしょう。
この時は直射日光は避け、短時間で風通しをしましょう。

雨に濡れた時は

雨に降られてダウンジャケットが濡れた時は、帰宅後に乾いたタオルで雨を拭き取りましょう。

見た目で濡れていなくても雨の湿気を含んでいますので、ハンガーに掛けよく乾燥させます。

酸性雨には注意

雨には、工場や自動車から出る排気ガス、火山噴火時の噴煙などの酸性物質が雨に溶け込んで降る『酸性雨』もあります。

酸性雨でダウンジャケットが濡れた場合、乾かしても酸性の物質だけ残ってしまいまいます。
この酸性雨はダウンジャケットの繊維を痛めることがあります。

ヒドく濡れてしまった場合や雨に濡れた回数が多い場合は、クリーニングに出して適切なメンテナンスをしましょう。

▶衣類にも影響を及ぼす酸性雨:イドカバネット

部屋干しでの注意事項

窓の結露に注意
窓の結露

窓際のカーテンレールに干す場合があるかと思いますが、結露によってガラスが濡れていて、ダウンが濡れてしまうこともあるため、注意が必要です。
気付いたら結露の水分でシミやカビになっていた、ということにないようにしましょう。

部屋の加湿に注意

ストーブやファンヒーター、ヤカンからの水蒸気、加湿器など部屋の湿度が高い状態ですと、ダウンジャケットの部屋干し時には、湿気は抜けにくくなってしまいます。

ナイロン素材は酸化窒素ガスに注意
ファンヒーターによる酸化窒素ガスの発生

ナイロン素材はストーブやファンヒーターから出るガス(酸化窒素ガス)による化学変化によって、ナイロンの染料が分解され、変色・退色します。

ストーブやファンヒーター・ガスコンロのある部屋には、長期間保管しないようにしましょう。

モンクレール・ダウンベストのナイロン変色修復:協和クリーニングのクリーニング事例

冬の外干しはNG

冬の季節に外干しをすると、夜露でダウンジャケットが湿気を含んでしまいます。
また、突然の雨や雪で濡れたり凍ったりしてしまいます。

当然、このような状況ではダウンジャケットの羽毛にはよくありません。

また、高級ダウンジャケットを夜間に外干ししていると、盗難や放火の心配もあるためお勧めできません。

高級ダウンジャケットの汚れを落とす

高級ダウンジャケットを着用する頻度が高いと、襟や袖が汚れたり、汗が付着すると不快な臭いがしたりすることがあります。

モンクレール等の高級ダウンジャケットは、「洗濯表示で手洗い不可」となっているケースが多く、クリーニングに出すことが一般的です。

▶モンクレール等の高級ダウンジャケットを自宅で水洗いしてはいけない10個の理由

しかし、自宅で洗濯できるダウンジャケットもあります。

ダウンジャケットの素材がポリエステルやナイロンで、洗濯や手洗いのマークがついている場合は、中性洗剤を使用して自宅で手洗いすることも可能ですが、洗濯表示をよく確認し、注意して洗濯する必要があります。

メンテナンス後の保管方法

高級ダウンジャケットをクリーニング・メンテナンスした後は、ハンガーにかけてダウンジャケットの膨らんだ部分が潰れないようにクローゼットに保管します。
保温性を維持するためにも、潰さないことが重要です。

さらに、高級ダウンジャケットの繊細な生地に負担がかからないよう、直射日光が当たらないようにすること、クローゼットはこまめに開け閉めをして続けて空気を入れ替え、湿度が上がりすぎないようにすることも忘れないようにしましょう。

長期間クローゼットに入れておくオフシーズンには、プラスチックの入れ物やビニール製の収納袋を使わないようにすることも重要です。
プラスチックやビニール製の袋は通気性が悪く、カビや雑菌の繁殖、変色につながるため注意しなければなりません。

しっかり乾燥させる

クリーニングから帰ってきたダウンジャケットはビニールカバーを外し、日陰干しします。
十分な乾燥をしていない状態で保管をしますと、湿気によってカビや変色、悪臭の原因となります。

クローゼット内には除湿剤を
クローゼット内に除湿剤を設置

除湿剤や乾燥剤は、その名の通り湿気を吸ったり乾燥させたりしてくれます。

湿度を下げるのに役立ちますが、除湿剤を適度に交換せずに放置しておくと、温度差によって水滴が結露し、その水分を羽毛が吸収して、かえってカビが生えてしまうので、こまめな交換が必要です。

また、除湿剤の液体が衣類に触れると変色したり、硬くなったりする可能性がありますので、こぼれたりしなように置く場所に注意しましょう。

出来るだけ暗い場所で保管

ダウンジャケットなどの衣類は光によって変色します。
直射日光はもちろんのこと、蛍光灯の光によって色褪せしたり、色ムラになりやすいです。
クローゼットや押し入れなど出来るだけ光の当たりにくい場所で、保管しましょう。

通気性のある袋で保管

クローゼットで保管する場合でも不織布や布カバーなどをかけましょう。
通気性のないビニール袋で保管しますと、湿気がこもってしまい、ホコリやカビの原因になります。

詰め込み過ぎない
ダウンジャケットがクローゼットで詰め込みすぎた状態

クローゼットや押入れ内を衣類で詰め込み過ぎると、空気が循環せず湿気がこもってしまいます。
ダウンジャケットや衣類の間隔を開けて、通気性を良くしましょう。

高級ダウンジャケットはクリーニングでメンテナンスしよう

モンクレール等の高級ダウンジャケットは、自宅でメンテナンスするよりもクリーニング店にメンテナンスを依頼するのがおすすめです。

クリーニング店に高級ダウンジャケットのメンテナンスを依頼すべき理由について紹介します。

アイテムに沿った方法で洗濯をしてもらえる

高級ダウンのクリーニング店で洗濯表示を店員がチェックしている

クリーニングに出せば、高級ダウンジャケットの生地の加工や素材、汚れなどをチェックし、最適なメンテナンス方法を提案してもらえます。高級ダウンジャケットに適した方法でメンテナンスをすることで、生地や素材が傷まず、長期間綺麗な状態を維持することにもつながるでしょう。

カビやニオイの発生を予防できる

汚れをしっかりと除去できなければ、不快なニオイやカビの発生につながるため注意しましょう。

家庭用の洗濯機や乾燥機ではボリュームのあるダウンジャケットを洗う場合、羽毛の中まで洗いきれない場合もあります。
すすぎ時には洗剤の残留リスクがあり、変色の原因となってしまいます。

乾燥も同様で、小さな乾燥機では中まで乾燥が出来ず、ボリュームダウンや悪臭も原因となってしまいます。

高級ダウンジャケットのデリケートな素材に負担をかけずに、付着した汚れをしっかり除去するためにも、クリーニング店にメンテナンスを依頼するのがおすすめです。

▶モンクレール等の高級ダウンジャケットは信用できるクリーニング店に任せましょう

今回のまとめ

着用した高級ダウンジャケットの保管や汚れを落とすといったメンテナンスをするのは、手間がかかるうえに自宅で洗濯をするとダウンジャケットの風合いがなくなる可能性があります。
また、高級ダウンジャケットのボリュームダウンにつながり、保温性が低くなるといった機能性の低下にもつながるため注意しなければなりません。

大切なダウンジャケットは着用後の保管やお手入れも大切です。
高級ダウンジャケットのメンテナンスやクリーニングは、専門知識や経験があるクリーニング店に依頼しましょう。