コラム

カナダグースのクリーニングで失敗しないようにするには?

カナダグースといえば極寒地でも快適に過ごせる、高品質なダウンジャケットブランドです。

良い物を長く着用するには、クリーニング店選びも重要となってきます。
失敗しないクリーニングのお店選びのポイントについて、ご紹介していきます。

カナダグースの公式サイトでも、専門店でのクリーニングを推奨

カナダグースの公式サイトの確認しますと、『よくある質問』『取扱いについて』ページにて下記の通り、家庭での洗濯は非常に難しいため専門のクリーニング店へご依頼を推奨しています。

カナダグース公式・取り扱いについて
▶引用:カナダグース・よくある質問・取扱いについて

Q.ダウンの取扱方法は?
A.家庭での洗濯は非常に難しいため専門のクリーニング店へご依頼ください。

Q.毛皮の扱い方は?
A.毛皮部分が取り外し可能なものは取り外して、毛皮専門クリーニング業者にご依頼ください。

自宅洗い(洗濯)は禁止

カナダグースの洗濯表示

カナダグースのダウンウエアに付いている洗濯表示を見ますと、

家庭洗濯禁止

タンブル乾燥禁止

ウエットクリーニング禁止

となっています。

洗濯方法としては、『石油系溶剤によるドライクリーニングによって弱い処理』を推奨しています。

また、クリーニング店へのお願いとして、

クリーニングの際はネットを使用してください

十分に脱液・乾燥を行ってください。

溶剤の残留できわつき(シミ)が発生することがあります。

と、注意書きがされており、プロのクリーニング店でも慎重なクリーニングを求められています。

このことから、クリーニング店での洗濯を推奨しており、自宅洗いは非常に難しくお勧めできません。

モンクレール等の高級ダウンジャケットを自宅で水洗いしてはいけない10個の理由

カナダグースを通常のクリーニング店に出すと失敗する?

カナダグースのクリーニング

カナダグースのダウンジャケット・ダウンコートは、クリーニングの取り扱いが非常に難しいダウンジャケットです。
使用されている表生地は過度な摩擦によって白化(色落ち)することがあります。
また、グースの羽毛は、油分を多く含み、クリーニングも難しい素材です。

お店選びも慎重にしないと、せっかくのカナダグースダウンが傷んでしまいます。

カナダグースを、通常のクリーニング店や料金の安いクリーニング店に出した場合のリスクをご紹介します。

通常のクリーニング店や料金の安いクリーニング店に出した場合のリスク

スピードクリーニング店

料金の安いクリーニング店やスピードクリーニング・即日仕上げのお店など、専門店でないクリーニング店で、カナダグースをクリーニングに出したときのリスク・危険性は、下記のようなことが考えられます。

白化させてしまう可能性がある

カナダグースの公式サイトにも白化のリスクを案内しています。

濃色品はクリーニングや着用の繰り返しですれた部分が毛羽立ち、白化する場合があります。
過度な摩擦や連続着用もお避けください。

▶引用:カナダグース・よくある質問・取扱いについて

白化(はっか)・白化現象とは
…素材表面が擦られることにより、製品が白っぽく見えるようになること。
摩擦によって繊維の表面が毛羽立ち、黒色や紺色などの濃色が光の反射によって、白っぽく変化して見える状態のこと。

襟、袖、脇に多くみられる白化と呼ばれる現象は、摩擦によって表面が毛羽だってしまい、色が抜けて白っぽくなってしまう現象で、カナダグースではこのような症状がよく見られます。

カナダグースのような高額なダウンジャケットの扱いに慣れていないクリーニング店では、品物のブランドや素材・状態をあまり考慮せずに、大量洗浄や誤った洗濯方法・乾燥をしてしまうと、色落ち・白化してしまいます。

専門店ではない一般クリーニング店や料金の安いクリーニング店では、このようなリスクがあります。

モンクレールやカナダグースといった商品を専門に取り扱っていて、高級ダウンジャケットの取り扱い実績が豊富なお店ではないと、このような失敗を招いてしまいます。

白化はクリーニング以外にも起こります

カナダグースの白化現象は、クリーニングだけでなく、通常の着用のスレによっても起きます。
特に袖口・脇下・ポケット口・背中など、よく擦れる部分や摩擦がある部分に発生します。

一見、白化していないように見えても、クリーニングによって汚れが落ち、洗浄効果によって、繊維の毛羽立ちや白化現象が目立ってきてしまうこともあります。

このように、「色落ち」「白化」の原因が、クリーニング店による不適切なクリーニング処理方法だけではないこともあります。

日常的な着用や洗濯という行動をする限り、カナダグースの「白化」は素材の特性上避けることは出来ないことを理解する必要があります。

白化の修復の技術がない

衣類の染色技術

繊維製品は消耗品であるため、素材の特性上、白化現象を完全に防ぐことは難しいですが、専門店であれば白化した品物を補修することができます。

専門の染色技術によって、色落ちした部分を染めることで、白化した状態を改善するのです。

このような染色方法は、通常のクリーニング店や安いクリーニング店では対応をあまりしていないため、クリーニング後に白化が目立ってしまうこともあるのです。

この白化修復技術を持っているのも、ブランドクリーニング専門店ならではとなります。

クリーニング剤のシミがついてしまう

品質の高いカナダグースを一般的なクリーニングに出してしまうと、洗浄方法や乾燥の方法によっては、クリーニング剤のシミがついてしまう(残ってしまう)ことがあります。

これはカナダグースの洗濯表示にも記載されております。

カナダグースの洗濯表示(クリーニング店)

クリーニング店へのお願いとして、

クリーニングの際はネットを使用してください

十分に脱液・乾燥を行ってください。

溶剤の残留できわつき(シミ)が発生することがあります。

洗浄に使用したクリーニング溶剤がダウンに残留し、シミとして浮き出てしまう状態です。

これは洗浄液の脱液不足・乾燥不足で発生する状態で、以下のようなクリーニング店での作業が原因と考えられます。

クリーニング溶剤のシミの原因
  • 大量洗浄・大量乾燥などの低コストクリーニング店
  • 生産性重視や短期納品のため、短時間洗浄・短時間乾燥の短納期のクリーニング店
  • クリーニング溶剤(ドライクリーニング溶剤)が汚れており、管理が悪いクリーニング店
  • 低料金実現のため、必要な手順・工程を減らしたお店

上記のようなクリーニング店では、溶剤のシミ・キワツキが出やすくなってしまいます。

大切なカナダグースのダウンジャケットは、低料金店・スピード納期・施設が古いクリーニング店などは避けたほうが良いでしょう。

せっかく汚れを落とそうとクリーニングに出したのに、かえって汚れの範囲を広げてしまってはいけません。

万が一のときの保証をしてくれない

カナダグース・シャトーパーカ

低料金クリーニング店や知識のないクリーニング店では、知識不足のため不適切なクリーニング方法や洗浄・乾燥方法によって失敗し、トラブルになってしまうケースもあります。

こうしたクリーニング店では、トラブル時の保証もない場合もあり、泣き寝入りという状況になってしまいます。

クリーニングトラブルの原因には、下記が事項があります。

クリーニングトラブルの主な原因
  • 素材メーカー(染色堅ろう度の弱い染色・素材)
  • アパレルメーカー(使用している生地や付属品・装飾品の組み合わせが不適切なもの、表示が不適切なもの)
  • お客様の着用・使用・保管中に発生したもの(着用による摩擦、虫食い、カビ、ガスによるシミ・変色、日焼け)
  • クリーニング業者(不適切なクリーニング処理による脱色・変色・損傷、紛失)

高級ダウンは、ダメージを避けてクリーニングを実施する、ウェットクリーニングに対応している専門店にお願いする必要があります。

カナダグース持ち主も、白化のリスクを知っておきましょう

特にカナダグースの持ち主は、白化・色落ちリスクを知っておく必要があります。

着用中の摩擦による白化が原因であっても、クリーニングが原因としてクレームとなり、馴染みのクリーニング屋さんとの関係が悪くなってしまうこともあります。

クリーニング業者・消費者(お客様)ともに、リスクを知った上でのクリーニングが必要です。

紛失やクリーニング事故があった場合には

万が一のクリーニング事故についても、高級品を専門的に扱っているクリーニング店ではクリーニング保証があります。

クリーニング事故賠償基準に基づき、しかるべき対応をしてくれます。

低料金店等では、クリーニング事故時の保証が少なく、不十分な場合もあります。

カナダグースは注意して扱わなければならい素材ですので、素材相応のクリーニング手順・料金で対応してくれるお店選びが大切です。

ダウン自体のボリュームをなくしてしまう

カナダグースの保温力はダウンジャケットの中でもトップクラスです。

とても高品質な羽毛を使用しておりますが、着用の汗や皮脂汚れによって保温力は落ちてきます。

不適切なクリーニングをしますと、羽毛に必要な油分を落としてしまったり、羽毛が収縮・固まってしまって、ダウンジャケットのボリュームがなくなり、羽毛自体の保温力まで失われてしまいます。

適切なクリーニングによって、汗や皮脂汚れで収縮した羽毛をふんわりとさせて、ボリューム・保温性を回復する必要があるのです。

ダウンジャケットが温かい理由は、中にあるダウンやフェザーが空気を多く含み、冷たい外気を遮断することで体温によって温ためられるのです。

この大切な空気層を作る、ダウンやフェザーをふっくらしてあげることが本当に大切なのです。

スピードや料金重視のクリーニング店では、不十分な洗浄によって汚れが落ちきれなかったり、大切な乾燥工程を短くするため、ダウン自体が膨らまず、ボリュームダウンしたようになってしまうのです。

▶ダウンジャケットのボリュームをふわふわに復元する方法

失敗しないクリーニング店の探し方

高級ダウンのクリーニング店で洗濯表示を店員がチェックしている

カナダグースをクリーニングに出す際、失敗しないためにもよくチェックしておきたいのがその取り扱い経験と実績です。

カナダグースを過去に何度もクリーニングし、経験豊富で技術も知識も豊富なら、安心してクリーニングを依頼できます。

カナダグースの取り扱い経験が豊富

カナダグースのような高級ダウンジャケットの取り扱い経験があるかどうかというのは非常に重要です。

高級ダウンジャケットは扱いが非常に難しく、知識・経験が必要となります。
過去の実績をしっかり紹介していて、ネット上の口コミなどもあると信頼できます。

ダウンジャケットの取り扱いだけではなく、カナダグースなどの高級ダウンジャケットの取り扱い実績があるかどうかも、しっかりとチェックしましょう。

▶クリーニング事例・お客様の声:協和クリーニング

白化修復対応が明確になっている

カナダグースは普通に着用していても白化などの劣化はどうしても出てきてしまいます。

こうした白化の修復対応である染め直しに対応していれば、クリーニングに出して清潔になるだけではなく、色アセ感や古びた感じを、良品の状態に戻すことができるのです。

修復対応ができないと、クリーニング後に修復を別に依頼しないとなりませんので、同時に対応してくれるようなクリーニング店を選びましょう。

このような白化を修理・修復する場合はお店によって呼び名が違い、復元加工、色修正、染め直し、白化修復などと言われています。

依頼前にどのような修復が可能かを、よく確認をしましょう。

ドライクリーニング・ウェットクリーニングなど状況にあったクリーニングができる

ドライクリーニングで白化を防ぐメリットも

カナダグースのクリーニング表示を見ますと、クリーニング方法としては『ドライクリーニング』となっています。
メーカーがドライクリーニングを推奨しているため、ドライクリーニングが基本的なクリーニングとなります。

よく、ダウンジャケットのドライクリーニングは、羽毛の油分を落とすため良くない…というような文章をネットなどで見かけます。

しかし、ダウン(羽毛)に良くないような洗浄方法をメーカーが推奨するはずはありません。

経験上、ドライクリーニングをした品物が極端にボリュームが落ちたり、ぺしゃんこになったことはありません。

むしろ、ドライクリーニングではカナダグースの白化を最小限に留めるというメリットもあるのです。

また、首周りの皮脂汚れやフード周りのヘアオイル、ファンデーション汚れなどには、油性汚れを落とすことができるドライクリーニングが有効です。

場合によってはクリーニングによる白化を防ぐために、ドライクリーニングを指定することも良いかと思います。
正しいドライクリーニングであれば、衣類には優しい洗浄となります。

ウエットクリーニングができる技術

汚れの種類によっては『ウェットクリーニング(水洗い)』が有効な場合もあります。

水洗いによって水溶性の汚れを落とすため、食べこぼしやジュース類、汗などを落とすのに適しています。

しかし、カナダグースをウェットクリーニングしますと、表面生地の白化リスクがあり、特別な知識・技術・経験が必要となります。

クリーニング屋さんによっては、ダメージを恐れるため、高級ダウンジャケットのウェットクリーニングを行わないお店もあります。

汚れや素材に応じて、ウエットクリーニングのできる技術があるお店を選びましょう。

汚れや素材を見極めて、最適なクリーニングができるお店を選びましょう

上記のように『ドライクリーニング』『ウェットクリーニング』、それぞれのメリット・デメリットがあります。

カナダグースの白化特性や、汚れの種類を見極めて、それぞれの品物に応じた『最適なクリーニング方法を選択できる洗濯屋さんが、良いクリーニング店であり、失敗しないクリーニング店と考えられます。

失敗しないためのクリーニング頻度は?

宅配クリーニング

カナダグースのお手入れで失敗は、クリーニングだけではありません。

ご自分でのお手入れ不足によって、大切なカナダグースが着れなくなってしまった…ということにならないために、適度なお手入れクリーニングが必要です。

カナダグースの失敗としては、保管中のカビ、日焼け、シミ、変色などがあります。

1シーズンに1度は着用するのであれば、年に1度のクリーニングがおすすめです。

頻繁にクリーニングをする必要はありませんが、その年に付着した皮脂汚れや化粧汚れなどは、放置することでさらにカナダグースの状態を悪くしてしまいます。

着用しているシーズンの間は、ブラッシングをしてそのときついてしまった汚れを丁寧に除去しておきましょう。
また、着用後には汗を飛ばすために、こまめに陰干しをするのも重要です。

シーズン中はこうして丁寧に扱い、シーズンが終わったら、必ずクリーニングに出すようにしましょう。

また、保管中の梅雨時期や夏季にはカビなどのリスクが高くなるため、時々の点検や日陰干しを心がけましょう。

▶モンクレール等の高級ダウンジャケットをクリーニングに出すべきタイミング

まとめ

カナダグースのような高級ダウンジャケットを長く良い状態で保管するには、年に1度のクリーニングが重要となってきます。
付いてしまった皮脂汚れなどを落とすだけではなく、白化・色落ちしてしまったダウンウエアをまた復活させることもできますので、失敗しないクリーニング店として、料金や近所、スピード納期だけで選ばずに、信頼の出来る実績のあるクリーニング店を選びましょう。

協和クリーニングでは、カナダグースをはじめとした高級ダウンジャケットのクリーニング実績が豊富で、高い技術を持ったクリーニング師が在籍しています。
自宅の大切なカナダグースを、より長く良い状態にしておくためにも、ぜひご利用ください。

▶カナダグースなどの高級ダウンクリーニング専門店:協和クリーニング